廣嶋雑記

広島のあれこれ

猿猴川のあれこれ

猿猴川(えんこうがわ、えんこうとは、カッパのことだそうです)、広島市の中区と東区の区境から南区を通って瀬戸内海へ流れ込んでいます。

その猿猴川沿いの警告板に、しじみ、えむしは捕ってはいけません‼︎と書かれていたので地元民に「えむし」って何のことですか、と尋ねたら皆さんご存知ない。

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ネット検索したところ、釣り餌であるイソメのことらしいです。
100gで何千円もする高級品なのだとか。
獲りすぎると枯渇するため、漁師さんが計画的に漁をしなければならないらしいです。
そんな貴重な生物が身近な川に生息しているとは、一向に知りませんでした。
 
猿猴川は干潮時に、だだっ広い砂地の川底がむき出しになるので限られた時間帯にのみ、えむしの漁ができるようです。
素人が川底に降りて獲ろうとしたら、知らぬ間に満潮になって溺れかねないので、むやみに漁の真似など危険過ぎてできません。
えむし採取禁止の掲示板は、無許可の漁禁止というよりも、溺死事故厳重注意の意味合いの方が強いのでしょうか。
干潮時の猿猴川

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 満潮時の猿猴川

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広島の川は干満差が大きいので満潮時間に川沿いの遊歩道を歩いていると、あっという間に水位が上がっていくのを目の当たりにします。
素人目には、一見しただけでは流れが下っているのか、上っているのか分かりません。
水量が多い時には、流れがせめぎ合っているように見えることも。
お、ちょうど上げ潮か?と思いきや、干潮でした、とか、川底が完全に見える、と思ったら徐々に水位が上がってきます。
 
アーロン・エルキンズの「古い骨」には、満潮時の砂地の恐ろしさが描かれています。
砂地に波が押し寄せてくると人間の足はひとたまりもなくとられ、そのまま波に呑まれてしまうそうです。
昔、モンサンミシェルの対岸にたどり着いた巡礼者はその恐ろしさが分からず、満潮時間を知らないまま島へ向かって途中で溺れてしまう人もいたそうです。 
厳島神社のある廿日市市民にスゴ〜イ、と言ったら、「え、フツー」と返されました。
そうなんですね、知りませんでした。
 
それからこの「古い骨」には題名通り骨に言及があります。
古い骨は第二次世界大戦中に死亡したコーカソイドのものと推測されるものの大腿骨と脛骨の長さの比率がモンゴロイドに近いため、混乱をきたしたのです。
 
真相は、結核で脛骨が短くなってしまっていたコーカソイドでした。
日本人の特徴として胴長短足は先刻承知していましたが、この描写で初めてモンゴロイドはコーカソイドと比べると膝下が短いのだと知りました。
 
しかし今時の日本では、欧米人よりも手足が長く小顔の若者が珍しくなくなっています。
フィギュアスケートの試合を見ていると、際立ってプロポーションが良いのは日本人選手、ということがあります。
日本人の中にもネアンデルタール人のDNAが数%遺伝している人がいると分かってきているので、生活様式の変化と先祖返りが重なって、日本人の体型も変わりつつあるのでしょうか。
 
猿猴川沿いを通りかかると、もの凄い速さで水中を進む影を見かけ、どれだけ巨大な魚なのか⁉︎、桜橋に潜むという伝説の巨大なヌシか⁉︎と期待していると、魚を追っている川鵜でした。
川鵜は、自分と同じくらいの大きさのボラを一旦捕まえたものの、ボラがのたくるので逃してしまうところを見かけたことがあります。
サイズ超過だったようです。
 
広島ではないのですが、ミサゴの狙った魚が大き過ぎて、食い込んだ爪を外せずにそのまま水中に引き込まれて溺れ、魚の方が網にかかった時には既にミサゴは白骨化していて、それでも爪を立てた状態の骨格のままくっついていたという話を聞いたことがあります。
川鵜、逃した魚は大きいけど、命あっての物種、逃して良かったかも。
干潮の時は川鵜ものんびり日光浴や羽繕いをしています。
 
猿猴川は旧太田川から分岐するのですが、ちょうどその分岐点に中洲があり、そこは白鷺や青鷺や川鵜の塒になっています。
白、灰色、黒のグラデーションですね。

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昔は川鵜だけ、とか白鷺だけ、とか1種類で占拠していたのが、今は共存しているみたいです。
それとも春が繁殖期なので、一緒に集まっているのでしょうか。
青鷺の中には、夜でも街中は広告などの照明で明るいため、寝ずに漁をする宵っ張りがいます。
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