廣嶋雑記

広島のあれこれ

尾道市立美術館の猫

広島県尾道市立美術館に行く途中に吉井勇の、

「千光寺の御堂へのぼる石段は わが旅よりも長かりしかな」
の歌碑があります。
読むと心の底から納得します。
 
尾道市立美術館は安藤忠雄設計です。

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このところ色々なニュースで取り上げられて、すっかり有名になった尾道市立美術館の警備員さん対、黒猫のケンちゃんと茶トラのゴッちゃんの攻防。
 
ケンちゃんが縄張りの美術館をいつものようにパトロールしていた時、猫まみれ展の猫のインスタレーションに気づき、自分の縄張りに侵入してきた、よその猫と勘違いして追い払おうとしたんですかね?
と思ったら、インスタレーションの猫が館内に入っていいんなら、自分も入ろうっと、と思ったらしいです。
 
黒猫のケンちゃん、鳴き声は可愛らしいけど、入館を阻まれて引き返す時の目つきは悪い…
I'll be back…
Guns N' Roses…
 
ケンちゃんの首輪が、泥棒の風呂敷包をフィーチャーした唐草模様の太めの首輪とか、赤い首輪とか、蝶ネクタイとか、リボン等々、毎回違うのは、きっと飼い主さんの溺愛の証なんでしょうね。
 
好きな警備員さんに遊んでもらいたくて、ちょこちょこやって来ているのではないか、という意見もあります。
動画を見ると警備員さんがまさに猫なで声の広島弁で「はいれんよ〜(はいれないよ〜)」と、優しくガードしているので、確かにケンちゃん達は声をかけてもらえるのが楽しみの一つなのかもしれません。
 
よく似た名前の、ハイレンド、という商標の防犯ガラスがありますよね。
業務用ワックス、ぶちひかる、や、雨合羽で、きまぐれ、なんてのもありました。
業務用なので発注者が電話で、ハイレンドの180×100を10枚、ぶちひかる1缶、きまぐれ5枚
などと頼んでるところを想像すると、ワクワクします。
 
それはさておき、ケンちゃん達の写真で一番面白かったのは、入口を突破できず、脇の傘立てでふて寝するケンちゃんです。傘立ての底とほぼ一体化していました。

 

2016年のゴールデンウィークにこの美術館へ行った時には、ケンちゃんもゴッちゃんも既にいたらしいのですが、入口で遭遇することはありませんでした。
近くのレストランで茶トラの猫がちょうど昼寝から目を覚ましたところを見かけたのですが、もしかしたらこの子がゴッちゃんだったのでしょうか。
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生憎とこの日は美術展を観ている最中、館内でわあわあ喋りたてるおばあさんがいて、げんなりしました。
いくら、のんびりした土地柄で、おおらかだとはいえ、やはり美術館という場所をわきまえて大声では喋らないようにする、それなりのマナーを心得ていてほしいものです。
美術館はあくまで公共の場、自宅の居間ではないのですから。
 
その後、気を取り直してカフェに行くと広い窓越しに向島が見渡せて、すっかり穏やかな気分になりました。
しまなみ海道の島影が、遠くまで続いています。
観光客の中には、この尾道水道(水道水ではなく狭い海峡のことです)が瀬戸内海なのに、広い川だと勘違いしてしまう人がいるそうです。
確かに、土地鑑がなければ川に見えますね。

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尾道市は最近、Iターンの若者がお店を開いたりして、お洒落な街に変わりつつあります。
 
志賀直哉の「暗夜行路」にちなんだパン屋航路というお店は、人だかりがすごかったです。
 
尾道ラーメンのお店も相変わらず繁盛しているようです。 
 
追記
老舗の尾道ラーメン朱華園は2019年6月19日で休業になり、福山市の松永店は閉店になりました。
 
尾道市立美術館の茶トラのゴッちゃんは飼い主さんが決まって引退、替わりに古株のキジトラ、クウちゃんがやって来るようになったそうです。
ゴッちゃんはやはり警備員さんが大好きで、人の目につかない所で足にスリスリしていたらしいです。

 

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